旅して貯める
手取り / 公開 2026.10.30 / 更新 2026.11.04

リゾートバイトの給料から引かれるもの|月22万円の手取りの内訳【2026年版】

結論

リゾートバイトの給料から引かれるのは、次の5つです。健康保険・厚生年金(社会保険)、雇用保険、所得税は毎月、住民税は翌年からです。寮費・食費は、契約があるときに別に引かれます。

  • 月給22万円(通勤手当・残業なし)で3か月働く場合、東京の例では、社会保険料が月32,318円、所得税が月3,910円(甲欄)で、手取りは月183,772円です。
  • 働き始めに「扶養控除等申告書」を出さないと、所得税が月15,400円(乙欄)になり、手取りは月172,282円に下がります。3か月で約3.4万円の差です。
  • 所得税は、毎月は概算で引かれます。年収が少ないと、あとで確定申告をして戻せます(戻し方の記事)。
  • 契約が2か月以内で延長がなければ、健康保険・厚生年金は引かれません(大学生のリゾートバイトと親の扶養)。ただし、雇用保険は、週20時間以上で31日以上働く見込みがあれば、2か月の契約でも引かれます(昼間の学生は原則対象外)。
この記事の内容
  1. 給料から引かれるものの一覧
  2. 月22万円だと、手取りはいくらになるか
  3. 社会保険料:入る月と、辞める月のルール
  4. 所得税:毎月は「概算」で、あとで精算する
  5. 住民税:働いた翌年に、自分で払うことが多い
  6. 寮費・食費など、会社が引くお金
  7. 最初の給与明細で、確かめる5つ
  8. よくある質問
  9. この記事で使った出典(2026年10月30日確認)

派遣会社経由のリゾートバイトでは、給料を払うのは、雇い主である派遣会社(派遣元)です。給料から引かれるものも、派遣会社が計算して、引いて、納めます。 この記事では、給与明細に並ぶ項目を、公的資料で確かめた数字と一緒に、順に説明します。

給料から引かれるものの一覧

引かれるもの引かれる条件月22万円の例(東京)
健康保険料社会保険に入るとき。入社日から。11,088円
厚生年金保険料社会保険に入るとき。入社日から。20,130円
雇用保険料週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあるとき。昼間の学生は、原則として対象外。1,100円
所得税毎月、国税庁の「月額表」で、概算の額が引かれる(時給・日給で2か月以内の契約なら「日額表」)。3,910円(甲欄)/15,400円(乙欄)
住民税働いた翌年の6月ごろから。この年は引かれない
寮費・食費など契約と、労使協定があるとき。契約による

例の前提:月給22万円(通勤手当・残業なし、毎月同じ額)、23歳以上、扶養する家族なし、派遣会社が協会けんぽ(東京都の保険料率)、3か月の契約。
40〜64歳の人は、このほかに介護保険料がかかります。

月22万円だと、手取りはいくらになるか

上の前提で、1か月分を計算すると、次のとおりです。

項目金額(1か月)
給料(額面)220,000円
健康保険料(子ども・子育て支援金を含む)−11,088円
厚生年金保険料−20,130円
雇用保険料−1,100円
社会保険料などを引いた後187,682円
所得税(扶養控除等申告書を出した:甲欄)−3,910円
手取り(甲欄)183,772円
所得税(出していない:乙欄)−15,400円
手取り(乙欄)172,282円

3か月では、社会保険料が合わせて96,954円、所得税が甲欄で11,730円、乙欄で46,200円です。 この表の手取りには、寮費・食費の天引きと、翌年の住民税は入っていません。

  • 協会けんぽの料率は、県で違います。最も低い県と高い県で、同じ月給22万円でも、健康保険料が月に1,500円ほど変わります。派遣会社が協会けんぽではなく、健康保険組合に入っている場合は、組合ごとの料率になります。
  • 昼間の学生は、原則として雇用保険に入りません。その場合は、表から雇用保険料1,100円を除いた額になります。
  • 社会保険に入らない場合は、所得税の額も変わります。社会保険料を引かないぶん、月額表の別の行になります(貯金の目安の記事に、その場合の額があります)。
  • 通勤手当や残業代があると、保険料の元になる額(標準報酬月額)が変わります。この表は、通勤手当・残業なしの例です。

社会保険料:入る月と、辞める月のルール

健康保険料と厚生年金保険料は、「標準報酬月額」という、月給を区切った額に、保険料率をかけて決まります。会社と本人が、半分ずつ負担します。 月給22万円の人の標準報酬月額は22万円で、東京の協会けんぽでは、本人負担が健康保険料10,835円、子ども・子育て支援金253円、厚生年金保険料20,130円です(令和8年度の保険料額表)。 入社のときは、その時点の見込みの報酬で決まります。通勤手当も含まれます。

短期のバイトで知っておきたいのは、月の途中の入社や退職でも、保険料は日割りにならず、月単位で決まることです。

場合保険料
月の途中で入社した入社した月の分が、1か月分かかります。
月の末日まで働いて辞めた辞めた月の分も、かかります。
月の途中(末日より前)に辞めた辞めた月の分は、かかりません。

資格を失うのは、辞めた日の翌日だからです。末日に辞めると、資格を失うのは翌月1日になり、辞めた月の分までかかります(健康保険法36条・156条)。

なお、同じ月に入社して辞めた場合は、その月の分がかかります。

もう1つ、保険料は「前の月の分」を、今月の給料から引くのが基本です。辞めるときは、会社は前の月の分と、辞めた月の分を、まとめて引くことができます(健康保険法167条)。月の末日に辞めた場合は、とくにこの形になります。 そのため、最後の給料は、締め日と支払日によっては、2か月分の保険料が引かれて、少なく見えることがあります。 何回目の給料から、いくら引かれるかは、派遣会社の締め日と支払日で変わります。

そもそも社会保険に入らない場合もあります。2か月以内の契約で、延長の見込みがない人。季節的な仕事で、4か月を超えない人です(リゾートバイトが当たるかは、個別の判断になります)。 ただし、2か月以内の契約でも、就業規則や契約書面に「更新する場合がある」と書かれているか、同じ派遣会社で、同じような契約の人が更新された実績があれば、最初の日から加入します。 入るかどうかは、求人票を確かめる記事の、社会保険の項を見てください。

所得税:毎月は「概算」で、あとで精算する

毎月の給料から引かれる所得税は、国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」で決まる概算です。1年間の本当の税額とは別に計算され、差は、年末調整か確定申告で精算されます。

甲欄と乙欄:働き始めに出す紙で決まる

「給与所得者の扶養控除等申告書」を、勤務先(派遣会社)に出した人は甲欄です。出していない人は乙欄になり、同じ給料でも、引かれる所得税が約4倍です。 月22万円の例(社会保険料などを引いた後が187,000円以上189,000円未満)では、甲欄の扶養親族なしが月3,910円、乙欄が月15,400円です(令和8年分の月額表。2026年中に払われる給料)。

働き始めの書類には、この申告書が入っていることが多いです。派遣会社に、「扶養控除等申告書を出していますか」と聞いてみましょう。ほかの会社でもアルバイトをしていて、そちらに出している場合は、こちらは乙欄になります。

2027年1月以降に払われる給料は、令和9年分の月額表で、同じ行が甲欄3,740円、乙欄14,900円になります(3か月の差は約3.3万円)。冬のシーズンは、給料の大半が2027年に払われます。

例外もあります。時給・日給で、雇用契約があらかじめ2か月以内と決まっているときは、月額表ではなく、日額表の「丙欄」で計算されます(申告書の有無は関係ありません。国税庁タックスアンサーNo.2511)。この記事の例は3か月の契約なので、甲欄と乙欄で説明しています。

引かれた所得税を、取り戻す

その年の給与のほかに収入がなく、年間の給与収入が178万円以下なら、本来の所得税は0円です(くわしくは貯金の目安の記事)。引かれすぎた所得税は、次の方法で戻ります。

  • 同じ年に、別の会社で働いた:新しい勤務先に、前の会社の「源泉徴収票」を出すと、年末調整で一緒に精算されます。
  • 同じ年に、ほかで働かない:その年の給与の総額が136万円以下なら、辞めるときに派遣会社が年末調整をして、引かれすぎた分を戻してくれることがあります。源泉徴収票の「源泉徴収税額」で確かめましょう。戻っていなければ、翌年以降に、自分で確定申告(還付申告)をします。期限は、その年の翌年1月1日から5年間です。手順は引かれた所得税の戻し方にまとめました。
  • 乙欄で引かれた分:年末調整の対象にならないので、確定申告で精算します。

どの場合も、「源泉徴収票」が必要です。派遣会社は、年の途中で辞めた人には、辞めた日から1か月以内に、源泉徴収票を渡さなければなりません(所得税法226条)。届かないときは、派遣会社に連絡しましょう。 戻る額は、その年のほかの収入によって変わります。

交通機関で通う人の通勤手当は、最も経済的で合理的な経路の運賃などが、月15万円までは、所得税がかかりません。寮までの赴任の交通費は、通勤手当とは別のものです。

住民税:働いた翌年に、自分で払うことが多い

住民税は、前の年の所得にかかる税金で、1月1日に住所がある(ふつうは住民票のある)市区町村が課税します。 たとえば、2026年に働いた分は、2027年6月ごろから払います。独身で給与だけなら、2026年の給与収入が119万円を超えると、住民税がかかり始める目安です(くわしくは貯金の目安の記事)。

  • 特別徴収:勤務先が、毎月の給料から引いて納める方法です。4月1日の時点で給料をもらっている人が対象です。
  • 普通徴収:自治体から届く納付書で、自分で払う方法です。

短期で辞めた人は、翌年の4月1日に給料をもらっていないことが多く、普通徴収になると考えられます(地方税法の定め)。翌年の4月1日にほかの会社で働いていれば、そこで特別徴収されることもあります。実際の扱いは、自治体と会社で違います。 翌年に納付書が届いたら、払う時期(6月・8月・10月・1月)を確かめておきましょう。

寮費・食費など、会社が引くお金

賃金は、全額を払うのが原則です。引いていいのは、法令で決まっているもの(税金と社会保険料)と、労使協定があるもの(寮費・食費・駐車場代など)です(労働基準法24条)。協定があれば何でも引けるわけではなく、引く項目は、契約や協定で決まっている必要があります。 契約書面に書かれていない天引きがあれば、派遣会社に理由を聞いてください。

寮や食事が無料、または安いときは、「現物給与」として、社会保険料の計算に上乗せされることがあります。価額は、派遣会社の事業所がある都道府県で決まります。 計算の例は、寮費・光熱費・食費の記事を見てください。求人票での確かめ方は、求人票を確かめる記事に書いています。

最初の給与明細で、確かめる5つ

給与明細の見本(架空)月22万円・東京・甲欄の例
1支給額(額面)
220,000円
契約書面の時給・日数・残業と合っているか
2健康保険料
−11,088円
契約書面の「社会保険に入る」と合っているか
2厚生年金保険料
−20,130円
2雇用保険料
−1,100円
3所得税
−3,910円
約4倍なら、乙欄になっているかもしれません
4寮費・食費
契約の額
契約の額と合っているか(この例は無料)
差引支給額(手取り)
183,772円
5締め日・支払日
明細の欄外
最後の給料がいつ払われるか
  1. 支給額(額面)が、契約書面の時給・日数・残業の条件と合っているか
  2. 健康保険・厚生年金・雇用保険の行があるか。契約書面に「社会保険に入る」と書かれているかと、合っているか
  3. 所得税の額が、甲欄の目安(月22万円なら数千円)に近いか。約4倍なら、乙欄になっているかもしれません
  4. 寮費・食費などの天引きが、契約の額と合っているか
  5. 締め日と支払日、最後の給料がいつ払われるか

給与明細の書き方は、会社によって違います。子ども・子育て支援金は、健康保険料に含めて書く会社も、別の行に書く会社もあります。 合わない点があれば、まず派遣会社に聞きます。納得できないときは、労働基準監督署や、都道府県の労働局に相談できます。

よくある質問

2か月の契約なのに、社会保険料が引かれていました。なぜですか?

考えられる理由は2つあります。1つは、雇用保険です。週20時間以上で31日以上働く見込みがあれば、2か月の契約でも引かれます(昼間の学生は原則対象外)。もう1つは、健康保険・厚生年金です。就業規則や契約書面に「更新する場合がある」と書かれているか、同じ職場で同じ契約の人が更新された実績があると、2か月以内の契約でも、最初の日から入ります(日本年金機構)。どの保険料か、入る理由は何かを、派遣会社に聞いてみましょう。

辞めたあとの最後の給料が、思ったより少ないのはなぜですか?

社会保険料は前の月の分を引くのが基本で、月の末日に辞めたときなどは、前の月の分と辞めた月の分が、まとめて引かれることがあるためです。給与明細の保険料の欄を見てください。

所得税が乙欄で引かれていました。戻りますか?

給与のほかに収入がなく、年間の給与収入が178万円以下なら、確定申告で戻る見込みです(年の給与が136万円以下で年内に再就職しないときは、辞めるときの年末調整で戻ることもあります)。源泉徴収票が必要なので、派遣会社から受け取ってください。戻る額は、ほかの収入によって変わります。

辞めたあとに、住民税の納付書が届きました。払う必要がありますか?

前の年に給与があった人には、翌年に住民税がかかることがあります。給与が少ないと、かからない場合もあります。納付書の内容に心当たりがなければ、市区町村の窓口に確認してください。

自分の条件で、数字を確かめられます。自分の条件で、社会保険料・所得税・寮費を引いた手取りの内訳を、数字で確かめられます。入力した内容は送信されません。

手取りと扶養を計算する

この次に読む

この記事で使った出典(2026年10月30日確認)

この記事は一般的な情報です。個別の契約の扱いは、勤務先(派遣会社)、税務署、年金事務所・保険者、市区町村に確認してください。

更新履歴
  • 2026.11.04 現物給与の計算の例へのリンクを変更
  • 2026.11.01 給与明細の見本(図)を追加。社会保険と雇用保険の書き分けをそろえ、住民税の記述を更新
  • 2026.10.30 公開