リゾートバイトの確定申告|引かれた所得税は戻る?年末調整・還付申告のやり方【2026年版】

年の途中でリゾートバイトを辞めた人は、翌年の1月1日から、自分で「確定申告(還付申告)」をすれば、毎月引かれた所得税が戻ります。辞めるときに会社が年末調整をした人は、すでに戻っています。まず、源泉徴収票の「源泉徴収税額」を見てください。
- 月給22万円で3か月働いた例(その年の給与は合計66万円)では、2026年分の所得税は0円で、毎月引かれた所得税は、甲欄なら11,730円、乙欄なら46,200円が、全額戻ります。
- 給与のほかに収入がなければ、2026年分は給与収入が178万円以下なら、所得税はかかりません。申告できるのは翌年の1月1日から5年間です(2026年分は、2027年1月1日から2031年12月31日まで。去年のリゾートバイトの分も、まだ戻せます)。
- 戻るのは所得税だけで、住民税は別です。確定申告をすれば、住民税の申告も兼ねます。
この記事の内容
給料から引かれるものの記事で、「所得税は、あとで精算できる」と書きました。 この記事では、その精算のやり方を、自分の場合は年末調整なのか確定申告なのかの見分け方から、申告の手順まで、順に説明します。
自分は、年末調整か確定申告か
年末調整は、年末まで働いている人に対して、会社が12月に行う精算です。 リゾートバイトは短期なので、年末調整を受けられない人が多く、その場合は自分で確定申告をします。
| あなたの状況 | 年末調整 | あなたがすること |
|---|---|---|
| 年の途中で辞めて、その年は他で働かない | 原則、受けられない。ただし、甲欄で、その年の給与が136万円以下なら、辞めるときの年末調整の対象 | まず、源泉徴収票の「源泉徴収税額」を見る。0円なら、すでに戻っている。税額が残っていれば、翌年1月1日以降に、確定申告(還付申告)をする。 |
| 辞めて、同じ年に別の会社(別の派遣会社を含む)で働いた | 新しい会社で、リゾートバイトの分も合わせて受けられる。新しい会社にも「扶養控除等申告書」を出し、年末まで勤めていることが条件 | リゾートバイトの源泉徴収票を、新しい会社に出す。ただし、リゾートバイトの勤務先に「扶養控除等申告書」を出していた(甲欄)ことが条件。乙欄だった人や、源泉徴収票を出せない人は、自分で確定申告をする。 |
| 年末まで、同じ派遣会社で働く | 「扶養控除等申告書」を出していれば、12月に受けられる | 派遣会社の案内に従う。通常は申告不要。 |
| 同じ時期に、2社以上で掛け持ちをした | 「扶養控除等申告書」を出した1社(甲欄)の分だけ | ほかの会社(乙欄)の分は、自分で確定申告をする。 |
| 乙欄・丙欄で、所得税を引かれた | 受けられない | 確定申告で、1年分を計算し直す。 |
| 源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円 | — | 申告しても、所得税は戻らない。還付のための申告は不要(ほかに収入があるときなどは別)。 |
年の途中で辞めた人でも、「扶養控除等申告書」を出していて(甲欄)、その年の給与が136万円以下で、年内に他で給与をもらう見込みがない人は、辞めるときの年末調整の対象です(国税庁 No.2665)。
会社が年末調整をしていれば、源泉徴収票の「源泉徴収税額」は精算された後の額です。0円なら、確定申告をしても戻りません。
派遣会社によっては、年末まで在籍している扱いになるかどうかが違います。迷ったら、派遣会社に聞いてください。
なぜ戻るのか:月22万円で3か月の例
毎月の所得税は、「この給料が1年続いたら、これくらいの税金になるはず」という前提で、国税庁の表(源泉徴収税額表)から出した概算です。 3か月で辞めた人は、年収が小さいので、1年分を計算し直すと、税金がかからないことが多くなります。
| 項目(2026年分) | 金額 |
|---|---|
| 給与収入(源泉徴収票の「支払金額」) | 660,000円(22万円×3か月) |
| 給与所得控除 | 740,000円(収入がこれ以下なので、給与所得は0円) |
| 基礎控除 | 1,040,000円 |
| 課税される所得 | 0円 |
| 1年分の所得税 | 0円 |
| 毎月引かれた所得税の合計 | 甲欄 11,730円/乙欄 46,200円 |
| 戻る額 | 全額(甲欄 11,730円/乙欄 46,200円) |
前提:辞めるときに年末調整を受けていない、2026年の給与はこの66万円だけ(掛け持ちや副業はない)、通勤手当などの非課税の手当はない、扶養する家族がいない。この例では、社会保険料を引く前から、課税される所得は0円です。
毎月引かれた額には、復興特別所得税が含まれていて、これも戻ります。
乙欄の分が全額戻るのは、ほかに甲欄の本業がない人の場合です。ほかに甲欄の仕事がある人は、給与を合わせて計算するので、全額戻るとは限りません。
毎月の所得税の額は、給料から引かれるものの記事と同じです。
2026年分は、控除が大きくなった年
2026年分から、給与所得控除(最低)が65万円から74万円に、基礎控除が95万円から104万円に増えました。 足すと178万円で、給与のみ・単身なら、この額までは所得税がかかりません。2025年分は160万円(65万円+95万円)でした。
ただし、この改正は2026年12月1日からの施行です。2026年中に毎月引かれる所得税は、改正前の税額表のままです(新しい税額表は2027年1月から)。 増えた控除は、12月の年末調整か、確定申告で精算されます。 2026年の途中で辞めて年末調整を受けていない人は、増えた控除を受けるために、確定申告が必要です(国税庁の改正Q&A)。
178万円は、給与のみ・単身・ほかの控除がない場合の目安です。2026年と2027年の2年間の特例で、2028年分からは変わります。 給与以外に収入があると、この目安は下がります。
同じ年に、別の会社に就職したとき
リゾートバイトのあと、同じ年のうちに別の会社に就職したら、新しい会社が、リゾートバイトの分も合わせて年末調整をしてくれます。 そのために、リゾートバイトの源泉徴収票を、新しい会社に出します(国税庁 No.2674)。新しい会社にも「扶養控除等申告書」を出し、年末まで勤めていることが条件です。新しい仕事も乙欄の掛け持ちだと、年末調整は受けられません。
- リゾートバイトの勤務先に「扶養控除等申告書」を出していた(甲欄で引かれていた)分だけが、合わせて精算されます。乙欄で引かれていた分は、年末調整に含まれません(所得税法施行令311条)。
- 源泉徴収票を出せないときも、年末調整はできません。自分で確定申告をします。
- 源泉徴収票は、退職後1か月以内に、勤務先が渡す決まりです(所得税法226条)。届かなければ、先に派遣会社に請求してください。
確定申告(還付申告)のやり方
手元に用意する源泉徴収票は、次のような1枚です。申告で見る欄は、この3つです。
- 1支払金額
- 660,000円
- 2源泉徴収税額
- 11,730円
- 3社会保険料等の金額
- 0円
- 源泉徴収票を手元に用意して、「源泉徴収税額」を見る。0円なら、申告しても戻らないので、ここで終わりです。税額が残っていれば、申告書に金額を書き写します(源泉徴収票そのものの提出は不要です)。
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、申告書を作る。画面の案内に沿って、源泉徴収票の金額を入れていきます。
- 出し方を選ぶ。
- e-Tax(電子申告):マイナンバーカードと、カードを読み取れるスマホがあれば、自宅から送れます。自宅からe-Taxで出すときは、本人確認書類の提示は不要です。
- 書面:作成コーナーで作った申告書を印刷し、住所地の税務署に、郵送するか持参します。マイナンバーの記載と、本人確認書類の提示(持参のとき)または写しの添付が必要です。
- 還付金の口座を、本人名義で書く。
- 出す時期:翌年の1月1日から。還付申告は、確定申告の期間(2〜3月)より前でも出せます。2026年分は、2027年1月1日から2031年12月31日までです。
提出先は、申告書を出すときの住所地(生活の本拠のある場所)の税務署です。翌年に申告するときは、リゾートバイトの寮を出たあとなら、今住んでいる場所の税務署になります。 住所は、実際の暮らしの事実で判定されます。どこになるか迷う人は、税務署に確認してください(国税庁 No.2029)。
還付までの期間は、国税庁の案内では、自宅などからe-Taxで出した還付申告は3週間程度です。 2〜3月の確定申告の期間中は、還付までおおむね1か月から1か月半かかります。 訂正申告をしたり、書類に不備があったり、書面で書類を別に送ったりすると、3週間程度の対象外になります。
e-Taxの「ID・パスワード方式」は、2025年10月から新しく発行されなくなりました。これから初めてe-Taxを使う人は、マイナンバーカードで使う方式になります。
住民税はどうなるか
- 確定申告をすれば、税務署から市区町村にデータが送られるので、住民税の申告を別に出す必要はありません(国税庁 確定申告Q&A)。
- 所得税が戻っても、住民税は別に計算されます。リゾートバイトで働いた年の収入にかかる住民税は、翌年の6月ごろから、納付書か給料からの天引きで払います。
- 給与収入が少ないと、住民税がかかりません。独身(扶養する家族なし)で給料だけなら、2026年に働いた分(2027年度の住民税)は、給与収入119万円以下でかかりません。2025年に働いた分(2026年度)は110万円以下でした。均等割の基準は自治体で少し違います。くわしくはリゾートバイトの住民税の記事です。
扶養に入っている学生は、申告しても大丈夫か
親の扶養に入っている学生でも、還付申告はできます。 親の税金の扶養(扶養控除)は、子の合計所得金額で決まります。2026年分は、給与のみなら、給与収入136万円以下が目安です。 健康保険の扶養は、別の基準で、今後1年間の収入の見込みで決まります(その年の12月31日に19〜22歳なら150万円未満)。その年の1月〜12月の合計とは、数え方が違います。 どちらも、申告したかどうかではなく、収入の額で決まります。 くわしくは、大学生のリゾートバイトと親の扶養に書きました。
よくある質問
源泉徴収票が届きません。どうすればいいですか?
まず、派遣会社に請求してください。退職後1か月以内に渡す決まりです。それでも出されない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出」を出せます。これは、出されなかったときの手続で、すでにもらった源泉徴収票の再発行は、この手続の対象外です。なくした場合は、派遣会社に再発行を頼んでください。
給与明細だけで、申告できますか?
申告書には、源泉徴収票の金額を書き写します。給与明細だけで申告できるかどうかは、国税庁の案内では確認できませんでした。源泉徴収票がないときは、税務署に相談してください。
去年(2025年)の分を、申告し忘れていました。もう戻せませんか?
まだ戻せます。還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間できます。2025年分は2030年12月31日までです。2025年分は、給与所得控除が最低65万円、基礎控除が95万円なので、給与収入160万円以下なら、給与のみの人は所得税がかかりません。
リゾートバイトのほかに、副業の収入もありました。
還付申告のときは、20万円以下の副収入も、いっしょに申告します(国税庁)。また、副業の所得(収入から経費を引いた額)が20万円を超える人は、還付がなくても確定申告が必要です。給与を2か所以上からもらい、年末調整されなかった給与と副業などの所得の合計が20万円を超える人も、必要になることがあります(国税庁 No.1900)。
所得税が引かれていませんでした。申告したほうがいいですか?
源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円なら、申告しても所得税は戻りません。還付のための申告は不要です。ただし、ほかに収入があるときなどは、申告が必要になることがあります。
自分の条件で、数字を確かめられます。年間の給与収入と、所得税がかかり始める目安(178万円)までの距離を確かめられます。確定申告が要るかの目安になります。入力した内容は送信されません。
手取りと扶養を計算するこの次に読む
リゾートバイトの住民税
確定申告のあとにかかる住民税。いくら・いつ届くか
給料から引かれるもの(手取りの内訳)
所得税のほかに、給料から引かれるもの
失業保険(失業給付)はもらえる?
辞めたあとの失業給付。もらえる条件
この記事で使った出典(2026年10月30日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」
- 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」
- 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
- 国税庁 タックスアンサー No.2029「確定申告書の提出先(納税地)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」
- 国税庁 タックスアンサー No.1199「基礎控除」
- 国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」
- 国税庁 タックスアンサー No.2674「中途就職者の年末調整」
- 国税庁 タックスアンサー No.2520「2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収」
- 国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(令和8年5月)
- 国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」(還付申告の対象・住民税の申告・e-Tax・本人確認)
- 国税庁「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」(還付金の受取と期間)
- 国税庁「ID・パスワード方式の新規発行停止について」
- 国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」第2(源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」「社会保険料等の金額」の欄)
- 国税庁「F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続」
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表(月額表)」
- 所得税法(e-Gov法令検索)190条・226条
- 所得税法施行令(e-Gov法令検索)311条
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 練馬区「パート収入と税金」
この記事は一般的な情報です。個別の状況は、勤務先(派遣会社)、税務署、市区町村に確認してください。
更新履歴
- 2026.11.01 住民税の記述を、2026年に働いた分は給与収入119万円以下でかからない、に更新。結論を短くした
- 2026.10.30 公開