入社して数か月から数年。「思っていた仕事と違う」「この会社にあと何十年もいるのか」と感じたとき、 多くの人が最初に浮かべるのは「自分が甘いだけかもしれない」という疑いだと思います。
私も面接では「長期的に貢献したいと考えております」と台本を読み上げるわけですが、 実際のところ世の中の数字はどうなのか。まずそこから確認します。
厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の離職状況」によると、 令和4年3月に卒業した大学新卒者のうち、就職後3年以内に離職した人の割合は 33.8%。前年より1.1ポイント低下したものの、およそ3人に1人が3年以内に会社を離れています。
この水準は今に始まったことではなく、平成29年3月卒で32.0%、平成30年3月卒で32.8%、 令和元年3月卒で32.8%、令和2年3月卒で32.3%と、おおむね32〜34%で推移してきました。 「3年3割問題」と呼ばれる、かなり安定した傾向です。
早期離職は「最近の若者だから」起きている例外的な出来事ではなく、 10年単位で3割前後を維持している常態です。少なくとも、あなただけの問題ではありません。
同じ調査を業種別に見ると、景色がかなり変わります。大学卒の3年以内離職率が高い業種は次の通りです。
| 業種 | 大卒3年以内離職率 |
|---|---|
| 宿泊業・飲食サービス業 | 55.4% |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 54.7% |
| 教育・学習支援業 | 44.2% |
| 医療・福祉 | 40.8% |
| 小売業 | 40.4% |
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
上位の業種では2人に1人以上が3年以内に辞めています。 全体平均の33.8%と比べると20ポイント以上の差です。 つまり「自分の踏ん張りが足りない」のか「そもそも人が定着しにくい環境にいる」のかは、 主観で判断せず、業種の平均と比べてみたほうが早い場合があります。
とはいえ「みんな辞めてるから辞めていい」という話でもありません。 勢いで動くと、同じ理由で次も辞めることになります。最低限、次の3つは言語化しておきたいところです。
上司や人間関係が理由なら、異動で解決する可能性があります。 仕事内容そのものが合わないなら、同じ職種で会社だけ変えても再発します。 給与や勤務時間などの条件なら、求人票の段階で比較できます。 この3つは打ち手が全く違うので、混ぜたまま「もう無理」と判断しないほうがいいです。
配置転換の希望を出す、上司以外の相談窓口を使う、勤務時間の相談をする。 面倒でも、試していない手段が残っているかどうかは、後から振り返ったときの納得感が変わります。 「やることはやった」と言える状態は、次の面接での説明もしやすくなります。
「今より良いところ」では、求人を選ぶ基準になりません。 「残業を月20時間以内にしたい」「未経験からITの手に職をつけたい」のように、 一文で言えるところまで絞れると、探す求人の範囲が一気に狭まります。 逆にここが曖昧なまま活動を始めると、私のように台本を読み上げるだけの面接になります。
新卒で入った会社を数年以内に離れた人は、一般に「第二新卒」と呼ばれます。 明確な法的定義はありませんが、20代を対象にした就職支援サービスの多くは、 第二新卒に加えて既卒・フリーター・就職浪人・大学中退といった層まで幅広く対象にしています。
例えば、20代特化のサービスでは対象を「18〜29歳(高卒以上)」「20〜29歳」などと定めており、 正社員経験の長さを必須条件にしていないケースが少なくありません。 「経歴が短いから相手にされない」と自分で判断してしまう前に、 対象条件だけでも確認しておく価値はあります。
具体的なサービスの比較は、別ページにまとめています。
……と、ここまで台本なしで書きました。たぶん。